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オメガシーマスターのお話

 
       
   

 このコーナーをいつもご覧いただきましてありがとうございます。オメガのシーマスターについてお話をしますと予告をしておいて、なかなか更新ができなくて申し訳ありませんでした。やっと私の身のまわりも落ち着いてきました。気持ちも新たに更新したいと思います。
  まずオメガ初の防水時計はマリーンと言われる時計です。1930年に特許を取得した角型二重ケースで防水面で弱点となるリューズを外側ケースで覆い尽くす構造になっています。二重ケースによって空気の層ができるので急激な温度変化がムーブメントに与える影響を和らげる働きもありました。何より角型は二重ケースから内部の時計を取り出すのに合理的なシステムです。更にこのアールデコ調のケースはとても美しい。(アールヌーボーじゃありません)写真を見たことがありますが正に名機という感じです。それとは別に私が素晴らしいと思う点があります。まず防水時計というのは丸型が常識となっています。それはパッキンの構造、ケースの圧力に対しての堅牢性等丸型の方が優れているからです。オメガがマリーンを発表したのは1932年になります。それより数年前の26年、ロレックスが裏蓋とリューズがネジ込みのオイスターケースのパテントを申請していました。ライバル同士であるオメガがそれを知らないわけはありません。更にパテントの為オイスターシステムは使用できません。オイスターシステム=丸型ケースです。オメガがロレックスに対する技術的なライバル心から角型の二重ケースを発表したのでしょうか?更にその時代があります。アールデコ全盛の時代です。角型二重ケースのオメガ「マリーン」は高性能な防水機構を持つファッションウォッチという側面も持っていたのです。
※アールヌーボー、アールデコについては過去何度もこのコーナーで取り上げておりますのでバックナンバーをご覧になってください。関係ないけど11月にボジョレヌーボーを飲みましたか?

  オメガには“デビル”、“シーマスター”、“スピードマスター”、“コンステレーション”の主要4ラインがあります。その中でも一番古い歴史を持っているのが“シーマスター”です。オメガは「マリーン」により防水時計の分野に参入しました。しかし実用性を考えると角型は主流になり得えません。さらに二重ケースゆえの不便さもあります。時代は第二次大戦を迎えます。防水時計の需要は加速度的に上昇しオメガもイギリス軍に丸型でネジ込み式裏蓋のモデルを大量に供給していきます。この時代に防水時計は丸型ネジ込み式がスタンダードとなり、その後も防水腕時計の主流となります。防水ケースに組み込まれるムーブメントは自動巻きが有利です。手巻きに比べて自動巻きの方が水やほこりが浸入する危険性があるリューズ操作を少なくすることができます。
  オメガは48年、防水自動巻き腕時計の代名詞のひとつである「シーマスター」を誕生させたのです!ただ今で言う生活防水程度の性能でした。55年に発表されたシーマスター300が本当の意味でのオメガ初のダイバーズウォッチと言えます。このシーマスター300と名が付けられた200メートル防水のモデルのスタイルが現代のダイバーズの直接的なルーツと言われているそうです。実は私はロレックスのサブマリーナがルーツと思っていました。勉強不足でした。ただ、この時代オメガとロレックスの機能競争は実に激しいモノがありました。防水腕時計の機能を発展させていく為、深海探査への協力と新製品の開発を競って行くのです。フランスのダイバーズ会社「コメックス」には両社とも関係が深いものがあります。ロレックスもダブルネームで有名ですが、オメガもシーマスター600メートルも70年、ガルフ石油が行った深海油田探査を目的とする「ヤヌス計画」に使用され、「コメックス」の3人のダイバーの腕に装着され毎日4時間ずつ計8日間を250メートルの深海で故障ひとつしませんでした。またひとつオメガの伝説が生まれたのです。オメガのシーマスターがダイバーだけでなく広く多くの一般ユーザーに認知されるようになったのは「ジャックマヨール」のおかげです。素潜りによる深度記録を樹立したフランス人ダイバーで彼が使用したのは薄くゴールドとステンレスのコンビモデルのシーマスター120メートルでした。ジャック・マイヨールとオメガの関係は深く後に発表されるジャック・マイヨール限定商品は人気シリーズとなりました。
  現在シーマスターを愛用している有名人は他にもいます。007ジェームズボンドです。彼が愛用しているのが Ref. 2531−80でプロダイバーズ300メートルです。秘密兵器としてジェームズボンドの危機を救います。それから話はそれますがジェームズボンドですが今のボンドはBMWに乗っています。過去にはロータスも乗りました。でもジェームズボンドには“アストンマーチン”です。ボンドカーにはアストンマーチンがよく似合うのです。アストンマーチンはそれは高価な車です。高価と言っても郊外の一戸建てや都内でそこそこのマンションを買うのと同じくらいです。だから、まず買える人は殆どいません。この仕事をしていると凄い事があります! “ジェームズボンド以外でアストンマーチンに乗っている人って初めて見ましたよ”こんなセリフを言える人ですよ! オメガシーマスターはラインナップが数多く用意されています。その中で私のお勧めはプロダイバー300メートルの Ref. 2531−80とアクアテラのシリーズです。2531−80はジェームズボンドモデルと言われるモデルです。300メートル防水、自動巻きクロノメーター、3針カレンダー付きで価格とダイバーズ性能と考えるとコストパフォーマンスの一番取れているモデルと思います。何よりカッコイイ。私はそう思います。
  それとアクアテラのシリーズです。シーマスターの名を冠していますがとてもダイバーズとは思えないモデルです。でも初めのシーマスターはこんな感じだったんですよ。仕事使いにはピッタリです。それから、これから結婚なさる方の結納返しにお勧めです。一生の事です。飽きのこないシンプルなデザインのこのモデルは月日が流れても一生あなたのパートナーとして付き合っていけると思います。時計が飽きなければきっとお二人の関係も…
  シーマスターは他にも魅力的なモデルは沢山あります。オメガはいい時計だと思います。時計界においてナンバーワンブランドと言えばパテックフィリップを指します。二大ブランドと言えばバシュロンコンスタンタンがもう一方となります。現在3大ブランドと言えばオーデマピゲが入ります。ブレゲ、ピアジェなんかも素晴らし時計です。でもみんな雲の上です。実用で使用できる時計の中ではオメガがナンバーワンと思います。オメガは王侯貴族のための時計ではなく実用性と信頼性を高めて広く多くの人が手にする時計を作り続けているのです。オメガは当社でも人気の商品です。自信を持ってお勧めします!


 

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