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  天文時計  
       
   

やっと暑さも峠を越えて秋らしくなってきました。これからの季節革ベルトの時計が似合いますよ。 今回は複雑時計の中での天文系についてお話したいと思います。まず天文学ですが、人類最古の学問の一つです。人類は移動しながらの狩猟生活から定住の道を歩み始めました。定住生活を行うには安定した食料の確保が必要になります。その為に農耕を行う必要性が出てきます。いつ種を撒くのか?人々にとって死活問題でした。そんな必要性から星の運行を調べ暦を作りました。暦を作ることはそれぞれの文明で行われました。また暦を管理することが権力者の証となっていきました。そんな中から大きな力を持った王様が誕生していったのです。以上のような話はよく聞く話ですよね。私は天文学というより例えばギリシャ神話に代表されるような話の方が好きです。なぜ星を見て88の星座を名づけ、その物語を作れたのか。当時の人々の感受性の鋭さに驚かされます。天文系の時計ですが、有名な物に“ガリレオガリレイ”“コペルニクス”“ヨハン・ケプラー”のユリスナルダンの「天文時計三部作」があります。この3本は機構が複雑なだけではなく、それぞれ文字盤を見てもとても綺麗です。残念ながら私もそれぞれ各一度づつしか手に持った事がありませんが、本当に素晴らしい時計です。まさに芸術品です。実物を見たことがありませんがパテックにも“スターキャリバー2000”“スカイムーン・トゥールビヨン”“セレスティアル”の天文時計三部作があります。これらはジュネーブの直営店にでも行かないと見られないと思います。記録上、最古の天文時計は1325年頃イギリスの時計師ロジャー・デ・ストークによって完成したといわれるノーウィッチ大聖堂の天文時計のようです。ただ当時は天動説が信じられていた時代ですので、実用的ではなかったでしょう。もっとも当時の時計というものは教会や権力者の為のものでしたから、一種のシンボルや高級玩具だったのですから。

 

 
         

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